2022年7月1日金曜日

【雑学】(6) 建築用語

雑学、これが最終回で、今日は建築用語です。


床の間の写真ですが、穴が開いている部分がありますよね。「ちんくぐり」って言います。江戸時代では、大奥での犬の狆(チン)の飼育が発端となって、各地の大名が競って飼育を始め珍重されたそうで、この床(とこ)と床脇(とこわき)とを仕切る袖壁(そでかべ)の下方に設けられた小さな開口部のことを狆潜りと言います。


横樋から雨水が集まって、竪樋に下す雨水を集める部分を「あんこう」といいます。あんこうは魚の鮟鱇(アンコウ)のことで、上を向いてパックリ口を開けた雨樋の姿が吊された鮟鱇に似ているところから通称となりました。



竪樋を壁に固定させる金具を「でんでん」といいます。でんでん太鼓に形状が似ていることからこのように呼ばれています。



手押し車ですが、こちらを「ねこ」といいます。逆さに伏せるとその姿が丸まったネコの背中に似ていることからネコと呼ばれる説や、猫が通るような狭い場所を通ることができることからネコと呼ばれる説などがあります。



建築現場において物が落ちたときに、それを受け止めるための防護用の仮設物を「アサガオ」といいます。それらが下から上に向かって張り巡らされている様子が、花の朝顔に似ていることからこのような名前となった。



間仕切りや風除けに用いられた家具「几帳」に由来し、几帳の柱の表面を削り角を丸くし、両側に鋭角に三角形を切取った面取りを「几帳面」と言う。物事を正確に行い、いい加減にしなことを「几帳面」と言いますが、建築用語から由来し、几帳面の様な細かい装飾は、職人がきちんと正確に作業をしなければ、美しく仕上がりません。これが転じて、物事をきちんと行うまじめな人を、几帳面な人と言うようになった、と言われています。